闇の

闇市本を読んだ。
今まで私は闇物資と聞くと、なんかヒロポンとかアヘンとかヤクザとか、そういう暗黒社会な気がしてたけど、統制外のものはナニモカモ闇だった。
だから闇米に闇パンはもちろん、闇ライター、闇靴、闇ズボン、闇寿司、闇オムツとなんでもかんでも闇だ。
「闇の中華料理屋では闇のチャーシューメンを売っていた」らしい。かっこいいな、闇のチャーシューメン。でもきっとまずい。

あとアメ横の闇の女集団は、「馬場のよっちゃん」や「ターバンの絹」が仕切ってた不良少女団だそうだ。
馬場のよっちゃん。
いい人っぽい名前。
その後どうなったんだろなぁ、よっちゃん。たぶんどうもなってない。

猫座の女の生活と意見

評価:
浅生 ハルミン
晶文社
¥ 1,785
(2009-02)
Amazonランキング: 12046位
ハルミンさんの新刊が出た。
早稲田古本村通信とかモダンジュースとか、あちこちに寄稿したエッセイをまとめたもので、「獅子座の女シャネル」と「飼い猫ぼた子の生活と意見」を混ぜたみたいな、とても良いタイトルと思います。

アマゾンに紹介された
水森亜土や鴨居羊子、藤竜也のこと、忘れられた昭和の珍本・奇本、気になるおじさまたちについて…。好きなものは猫と古本。人気イラストレーターが語る日々の暮らし、素敵な人たちとの出会い。驚きとくすくす笑いにあふれたエッセイ集。

という文を読むと、なんかほっこりしてそうだが、実際には、正月に実家帰ってすきやきの鍋が炎上したあげくお父さんが妹の小鉢にばっか肉いれて私には入れてくれへん、と涙目になってるのに、お母さんは「欲しかったら自分でちゃっちゃととりな!」て鍋をかつかつ言わす…みたいな「日々の暮らし」だ。

ハルミンエッセイは、こうした具体例の観察・再現から、抽象・考察への道のりがつながってて、飛躍がない。飛躍がないからわかりやすい。時もあるし、飛躍がないから煙に巻かれる時もある。
そのゆらぎが魅力で、だから「猫座の女」なのかなーと思ったりした。

帯では「猫と古本で人生はまわる。」と言い切っているが、いや猫や古本は好きだけどサァ〜、それだけで人生まわるほどアレじゃないんだよね……と、猫にも古本にもはまりきれない人の方が共感できるエッセイではないかと思う。

粘土をひねる男たち



ニート論壇へ彗星のごとく登場した平山氏。待望の新著では“粘土系趣味”に耽溺する中高年層の心理を探求した。
終戦直後の一銭洋食からバブル期のソーセージを経てベーグルに到る歴史の影に、GHQとサライの介在を探り当て、クリスピークリームドーナツ人気からユニクロの戦略を見いだすくだりは圧巻。
凡百の印象批評に終わらず、30年に渡り徹底した調査を実施。およそ5万人にも上る統計データは「下流社会」などとは比べるべくもない信頼性を誇る。
なぜ男は粉モノに走るのか? 粘土系の未来は? danchyuの部数は? クリスピークリームドーナツとミスドの違いは?
混迷の日本経済を解き明かす1冊だ。








エア新書ですけど。

ハルミン&ナリコの読書クラブ

浅生ハルミンさんと近代ナリコさんで「彷書月刊」にリレー連載していた、本にまつわるエッセイ集が、2冊同時に出版された。
版元は彷徨舎
彷徨舎サイトに「直販にて、ハルミン本、ナリコ本を2冊同時にお買いあげのお客様に限り、特製くるみ箱をおつけいたします」とあり、わー、くるみ箱欲しい! と思ったけど、「直販」てどうすればいいのかわからないので、問い合わせのメールをしたら、そっこう郵送して下さいました。中に郵便振替の用紙が入っていた。仕事早っ! ありがとうございます。
だから直販希望者は、そのむね書いてメールをすれば良いのだと思う。

そんなわけで、すてきな本がやってきた。



どう!?
写真はアレだけどくるみ箱も本も可愛いでしょう。
でもくるみ箱や装丁は「可愛い」ですむが、内容について簡単に書くことは難しい。なんかこう、2冊とも一定のトーンで書かれたブックガイドではなく、喋ってるうちポロッとこぼれたセリフだったり、長年のわだかまりだったり、鋭い批評だったりする「本好きのいろいろ」「本好きのムニャムニャ」だからだ。

「ナリコの読書クラブ」はおおむね、紹介される本が近代さんにツボ押ししてもらってて、あーソコソコ! という快感に満ちた手練れの文章で、とても読みやすい。
読みやすいのは、本にからめて御自分の生活についても描写されているからだと思うけど、そういう「読みやすいエッセイ」にありがちな、常連の店みたいなおしつけがましさが全然ないのがすごい。きっと近代さんは、読者への甘えがない方なんだろうなー。クール。かっこいい。
紹介されてる本:「美容相談室」(山本鈴子)「スヌー物語」(田辺聖子)「月光都市」(武田泰順)などなど

「ハルミンの読書クラブ」は、凌雲閣のパノラマのようだ。こんな少ない文字数でようやる……と呆れるほど文章のゆくえがつかめず、いつの間にかハルミン的風景が広がって来る感じ。
ずいぶん前、ハルミンさんと何か喋ってて「体が柔らかい人」の話になった時に「すごいクネクネしてんの〜、いろは坂みたいに」と言われて、なんちゅうたとえをすんのか! と大爆笑したことがある。
そのように、いきなり日光に連れて行かれそうな文章です。
あと、御自身も古書店主化することがあるためか、装丁や造本や構成といった「外まわり」からのアプローチも多く、門外漢としては「本て、そんな見方があんのかー」と感心するばかりだ。
紹介されてる本:「羽仁未央のびっくり箱」(羽仁未央)「女獣心理」(野溝七生子)「こけし手帖」などなど

2冊とも、紹介する本の書影はほぼ全部掲載されていて、その本への想像をいっそうかきたて、「くー!読みてえ!」と悶絶させるニクイ心配りをほどこしている。
本好きにはゼヒおすすめな2冊です。

大沼ショージさんと鉱物

評価:
フジイキョウコ
ブルース・インターアクションズ
¥ 1,890
(2008-09-19)
Amazonランキング: 14262位
ご近所友達のカメラマン・大沼ショージさんが写真を担当した「鉱物アソビ」。
いまお茶の水で出版記念展をやっているそうなので、昨日、夫と行って来ました。
会場である美篶堂(みすずどう)は、製本職人の社長さんが運営されているギャラリー工房で、静謐な美しさのノートや手帳など本や本にまつわる雑貨の販売もされています。手帳やカレンダーもありました。
ギャラリーは、小さなミネラルショップにもなってて、本に掲載されてるような可愛い鉱石がいろいろ売ってました。「砂漠のバラ」という石はすごーく不思議だった。





著者のフジイさんも会場にいらして、ちょびっとお話させていただきました。フジイさん曰く「鉱物はお水のいらないお花なんです」とのこと。本には、鉱物のディスプレイ実例というか「愛で方」の提案がされていて、石といえばパワーストーン、お守り的なイメージでしかとらえてなかった私には新鮮でした!
夫は、母岩に四角い金属をくっつけたみたいな黄鉄鉱と、ブラックライトで光るという蛍石を購入。
私は本と(サインしてもらった!)ショージさん製作のカードを買いました。



みなさんも、ぜひお運び下さい。
ついでにmixiの大沼ショージコミュもヨロシクです。
http://mixi.jp/view_community.pl?id=3121443

■□■会場:美篶堂
      公式サイト
      千代田区外神田2-1-2東進ビル本館1F
      03-3258-8181
■□■会期:10/21〜11/2
■□■時間:[平日] 11:00〜20:00
      [土日祝] 11:00〜18:00
■□■休み:月曜日
■□■交通:丸の内線御茶ノ水駅から徒歩3分
      JR御茶ノ水駅御茶ノ水橋口から徒歩5分
      *神田川に沿って秋葉原方面に坂を下り
      聖橋の高架下をくぐり、最初の建物の1F